翠の瞳にうつるもの

どこかの誰かの心に残るものを書きたい

“1粒の涙”を流したのは誰か

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翠の瞳にうつるもの へようこそ。
村上翠乃です。

これは、歌詞からの自分の勝手なイマジネーション。

劇場版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
先月観に行き、その直後の数日で文庫本も読了した。

その劇場版の主題歌が、[Alexandros] の『閃光』。
つい数日前にリピートで流している時、あるフレーズが不意にクローズアップされて頭に残った。

サビの最後のフレーズだ。

誰から流れた涙なんだろう。
空想が広がる。

以下少々のネタバレが含まれる可能性があるのでご注意。



改めて歌詞を読んでから、小説の内容も絡めて考えた。

私の中には2つのイメージがある。


ひとつは、主人公ハサウェイの涙。
地球の今と未来を憂い、反乱者のリーダーを演じる彼の重圧と緊張、苦悩はいかほどだっただろうか。行為は犯罪。だが、組織をリードしなければならない点で、その責務は企業の社長や軍の指揮官たちと本質的には変わらないと思う。

その重みに耐える夜を明かし、朝日を浴びながら心の軋みを一粒だけの涙として溢す。
そうして今日も彼は、“マフティ·ナビーユ·エリン”になる。
そんな光景。


ふたつめは、地球の涙。
人類全ての口を賄うだけの力は既に無く、寿命よりも早く枯渇しつつある惑星。
その地上では理不尽と格差が横行し、争う度にまた地球は衰えていく。
もうはっきりと見える人類の終末に、共に倒れて行くだろう我が身に悲しみが募った地球がぽろりと溢した憐憫の涙。



見る人、聴く人によって物語の解釈は様々だから、きっと全然違うイメージを持つ方も沢山いるだろう。
現に一緒に観に行った恋人はヒロインのギギ·アンダルシアだと思ったようだ。

多様な世界のどなたかとこういう自分のイマジネーションについて共有できたらと思い、これを記した。