翠の瞳にうつるもの

どこかの誰かの心に残るものを書きたい

“罪”を食する

翠の瞳にうつるもの へようこそ。
村上翠乃です。



それは確かに罪と分かっていても脱け出せない、甘美な味がした。

「一緒に食べよう」
彼は楽しそうに提案してきた。
目の前にはほんのり黒みを帯びた、透き通った濃く深い紅の液体。
それが細身のボトルにたっぷりと満たされている。
よく見ると、中にはゴロゴロと果肉の欠片。

脇にある器の中には白く冷たいアイスクリーム。
さて、とボトルを開ける。
甘酸っぱいダークチェリーの香りが鼻腔いっぱいに広がる。その後ろに品よくお酒も薫る。
そのままゆっくりとアイスクリームの上から垂らすと、思いの外可愛らしいピンク色に変わった。

スプーンを手に取りそっと掬いとり口に運んだ。
とろりと甘い味に、少しの酸味と果肉の食感とがアクセントを添えている。
お酒の刺激も心地よく、これが複雑な大人の甘さといったところか。

元来アルコールには弱いのだが、するすると喉を通っていく。
気づけば最後のひとすくい、惜しむように味わった。

こんなアイスクリームの食べ方は初めてで、思わず小さなため息をつく。

今度はアイスクリームも少し贅沢なものにしてこの暴食のチェリーを味わってやろう。
そう企みつつ私はそっと扉を閉めた。


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