翠の瞳にうつるもの

どこかの誰かの心に残るものを書きたい

絵本の記憶

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翠の瞳にうつるもの へようこそ。
村上翠乃です。

印象に残る絵本ってありますか?
今日は私がずっと印象的だと感じている絵本についてお話ししたいと思います。

私には反復癖があり、気に入った本はしつこく繰り返し読みます。
それこそ内容を完全に覚えるほど。
なので実家の絵本のボロボロ具合には大きな差が……(笑)

中でもボロボロがすごい!と言えるのがこれ↓↓

つむじ風のおくりもの・十二月物語 (講談社のおはなし童話館)
https://mi-te.kumon.ne.jp/mbook/detail/?book_id=89947&isbn=4061979124

好きなのは、B面的扱いの『十二月物語』のほう。
サムイル·マルシャークという人が作者ですが、元はスロバキアの民話だそう。

日本語版だと 12の月のおくりもの とかタイトルが微妙に違いつつも、複数の出版社から出されています。


幼い私は、講談社バージョンのイラストの美しさと文章によって、物語に没入しました。
極寒の地を嫌でも想像させる凍てつく寒さや、花が咲き乱れる空間の空気の甘さ。
健気な妹への柔らかい眼差しと、打って変わって意地悪で横柄な姉への厳しい表情。

春と冬、善良と意地悪 などいくつかの対比が、可愛いというより繊細で美しい絵柄で表現されています。
それゆえに、教訓的なストーリーが際立って刺さってくる印象です。

キレイだけど自然への畏怖を感じる。そんなお話です。

大人でも楽しめると思いますので、気になった方はぜひ読んでみてください。